子供の体は、全体が均一に成長するのではなく、年代によって成長する部分に差があります。ここで、着目してほしいのは、子供は大人をそのまま小さくしたわけではなく、年代によって、成長している部分と未発達な部分があるということです。

大人のトレーニングをそのまま子供に与えるのではなく、年代に応じて考えてあげる必要があります。

ここでは、大きく3つの年代に分けて子供の成長について説明していきます。

乳幼児から小学生

出生してから小学生にかけて、神経系が大きく成長します。脳と体を結びつける神経細胞が発達することで、子供は遊びや運動を通して、バランス感覚・リズム感・敏捷性などが発達していきます。特に小学生高学年はゴールデンエイジと呼ばれ、様々な運動をどんどん吸収して自分のものにできてしまう時期です。

しかし、小学生低学年くらいまでは集中力が長続きせず、常に新しいものに興味が移っていくといった特徴を持っています。それは、同じ動きばかりを繰り返すのではなく、多種多様な動きを通して、運動の神経回路を張り巡らせる必要があるからです。

この時期の様々な運動によって身についた神経回路は、多様であるほど年代が進んだ時に専門性の高い技術習得も早くなる傾向があると言われています。

(同じ運動ばかり繰り返すのではなく、いろんな動きをした方が子供の成長のために良いということで、子供が楽しく運動ができるように、鬼ごっこからボール遊び、なわとびなど、短時間でどんどん運動の種類を変化させてあげるといいでしょう。)

注意点は、大人と違い、子供の体はまだ出来上がっていないということです。(特に呼吸・循環器系)

そのため、あまり長時間の運動は、大人が考える以上に子供には厳しいものとなり、疲れから姿勢が崩れ、せっかく一番バランス感覚が伸びる時期なのに、逆に姿勢の崩れが悪いくせとなって身についてしまう危険性があります。

中学生

この時期は、呼吸・循環器系・骨格が大きく発達します。そのため、中学生くらいから、徐々に長い時間の練習に耐えられるようになっていきます。心肺機能を高めるためのトレーニングをオススメします。

体はまだまだ成長中の為、ウエイトを使った大きな負荷をかけるトレーニングは骨、関節を痛めるきっかけにつながりやすいので、自重でのトレーニングの方を推奨します。

高校生

この時期になると、体も大人とほとんど変わらなくなり、長時間のトレーニングにも耐えられるようになります。

この頃は生殖器型の発達が著しく、男性ホルモンによって骨格筋が大きく成長するため、力強さ(パワー・瞬発力)をつける、筋力トレーニングや瞬発力系のトレーニングを積極的に行うのがいいとされています。

このように子供のトレーニングは年代別でしていく必要があります。
また人によって成長スピードは違うので、一人一人の成長に合わせたトレーニングをすることがケガの予防にもつながります。